はじめての実名交渉

個人M&A実録

せっかく運命的な出会いをしたのに、
交渉メッセージを送ったら、有料会員しか返事が見れないというオチがあったのが前回までw

さて、その先にどの様な展開が待っていたのでしょうか。。。

スピード勝負のM&A交渉

カギを握る最初のメッセージ
課金完了すると、無事に返信が読めるように。
(そりゃそうか。笑)

最初のメッセージで私が伺っていたのは、

  • 事業の最大の強み
  • 主な顧客層
  • 店舗運営で大切にしていること

等々です。

ん?何で売ろうと考えているか、
どの様な収益構造なのか、店舗の名前や詳しい場所、等々をなぜ聞かなかったのか?って?

M&Aは買手と売手の信頼関係が何よりも重要です。

すなわち、コミュニケーションが命。

そこで、お会いしたこともない相手からいきなりそれらを聞かれたら…
売手の側からすればイヤですよね。

なので、あくまで最初は外側の部分からというのが重要。

でも、何を聞いたら失礼で、何から聞けば好印象なのか。最初は分からなくて当然。

こうしたやり取りのコツは、私も実践の中でかなり蓄えました。
また近々、別の回で大公開します!

思いもよらぬ展開
さて、頂いたお返事はというと、

私がお伺いした事への返答と共に
「早期売却を希望する為、面談をしたい」と。

は、はや。苦笑
こんな早いの?

何回かメッセージの交換をして、NDA(秘密保持契約)を結んで、実名交渉をしてからようやく面談
というのが通常の流れと聞いてるけど?

というか、そんな早期売却希望でゼロ円って

やっぱヤバイんじゃないの?

そんな事が頭をめぐります。

会社での会議を終え(会社員なんで。笑)
一息つきながら再度返信。

  • 現時点で非常に興味を持っている
  • 自身のこれまでの経験を活かしてより価値を高められる自負がある
  • 前向きに検討する為にNDAを結んで財務諸表を見せてほしい
  • 一度お会いしてお話ししたい

ことをお送りしました。

NDAのち、実名交渉

財務諸表を得て
その後、無事にNDAを締結し、通期のPL(損益計算書)とBS(貸借対照表)をゲット。

ふむふむ、なるほど。

現状は赤字。
(まぁ、ゼロ円売却と聞いてこれは想定内)

それよりも重要なのは、負債の額。
なぜなら株式譲渡での売却希望との事だったので、負債も丸々引き継ぐ事になるからです。
(過去の参照記事

その負債額1,500万円。。。

やっぱそうか、そうだよな。
要は、会社自体はゼロ円で譲る代わりに借金をそのまま引き継いで欲しいという事でしょ。

そんなに世の中甘くないよな。やっぱり、売りに出る会社はそれなりの理由があるんだ…

そんなことを考えて一気にブルーモード

大切な、疑問に対峙する作業
でも、ちょっと気になることが。

この負債の内訳を見てみると8割ほどの金額が短期借入金だったのです。

この赤字の状態で、1,000万円を超える金額を銀行が短期で融資するだろうか?

疑問に思って聞いてみると、この短期借入金は全て社長の個人貸付で、引継ぎにあたっては債権放棄する方針 とのこと。

なるほど。それであれば、負債は長期借入金と未払費用の300万円ほどだけで、
純資産も個人貸付の債権免除益が立てば実質800万円ほど。

悪くない!

これなら、とりあえず赤字の状態を早く解消出来れば、しっかりと立て直していけるのではないかと考えました。

そこで重要なのは、1年間のトータルでの結果を見る通期のPLではなく、月別のPLです。

なぜかというと、もちろん売上には波があるし、同じ赤字でもここ最近の売上が激減しての赤字と、直近は絶好調だけど年の前半が調子悪くての赤字とでは全く意味が異なるからです。

そうして、早急にお会いしたい旨を告げて、併せてその前日までに月別のPLを用意していただくことをお願いしたのでした。

実践即ち経験
どうでしょう皆さん。読んでみて如何でしたか?

こんなん、いきなり、しかも1人で出来る気がしねえよ

そう思いましたか?
多分、当時の私もそう思ったと思います。

でも大丈夫!

あくまで、リアルな流れを感じてもらう為にありのままを書いているだけで、

その過程で重要な事や、気を付けるべき点、等はまた別のカテゴリでたっぷりと解説します。

それらを読めば、今は自信の無い皆さんでも、間違いなく同じように交渉が出来るはずです。
なぜなら、私だって出来たのですから。

次回はいよいよ初めての面談の詳細をお届けします!

お楽しみに。

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