M&Aの進め方

M&Aの流れ

何から始める?個人M&A

こんにちは。会社を買った会社員 増岡です。

事業承継とM&Aという言葉の意味を再度正しく理解したのが、前回まで。
今回からは、いよいよ実際にどのような流れでM&Aを進めていくのかをお話しします。

一言で簡単に「買う」って言ったって、
どういう流れで進めればいいのか。

今日はそんな皆さんの疑問をクリアにする為、
実際に買って事業を引き継ぐまでのザックリとした流れを解説します。

とはいっても、1つ1つの実際の進め方やコツ、気を付けるべきポイントは、いきなり聞いてもピンと来ないでしょうから、それぞれの細かい説明はまた別の機会に行います。

今日はあくまで全体の流れを知りましょう!

ザックリ!個人M&Aの流れ

ソーシング

何はともあれ、まずは案件情報探し。

この案件を探す事を「ソーシング」と言います。
ソーシングは、公的な事業承継の支援機関である引継ぎ・支援センターや、民間のマッチングサービスで行えることはVol.3に書いた通りです。

それぞれのサービスの特徴や、使い方の詳細等は、またの機会に譲るとして、個人M&Aの1歩目として、まずは案件のソーシング!と覚えてください。

ファーストコンタクト

気になる売却情報をゲットしたら、ファーストコンタクトです!

まずは自分がどんな人物で、何故その案件に興味を持ったのかを伝えられると良いでしょう。
自身の思いや興味を持ったポイントをしっかりとお伝えして、詳細な話を聞かせてもらえるようにお願いをしてきます。

民間のマッチングサービスであれば、メッセージ機能を使用して、引継ぎ支援センターであれば担当者の方を通じて、それぞれ売手様に自分の思いを伝えていきます。

この時、例えば負債(借金)はどれくらいあるのか、逆にどれくらい儲かっているのか…
聞きたいことが山ほどある気持ちは、一旦胸にしまい、いきなりあれこれ聞かないのがポイント。

初めての方に、年齢や職業等プライベートなことを聞かないのと同じで、
最初はあくまで熱意を伝えて、まずは交渉する入口に立たせてもらう事が重要です。

逆に、売手の方にとっては、我が子同様に大切に育ててきた会社や事業ですので、その熱意や人となりは想像以上に見られています。
最初の段階から、誠意を持ってそれを示して行けると好スタートです。

実名交渉

実は、ここまでは互いに氏名等の情報を伏せて進めることが一般的です。

考えてみれば当然で、
会社を売りに出すという情報は非常にセンシティブで、それは買手にとっても同じこと。

まずは、お互いに最低限の情報を交換し、詳細を聞きたい場合は、実名での交渉に進みます。

NDA(秘密保持契約)を締結し、情報を漏らさないことを約束したうえで、ヒアリングしていきます。

ここでは、最初の段階で胸にしまった事もしっかり聞いて、疑問点を減らしていきましょう。
一般的には、こうした作業をDD(デューデリジェンス)と呼びます。

DDでは、色々な観点で確認の作業を行っていきます。

  • 違法な取引がないかや、不利になる契約がないか等の法的観点での法務DD、
  • 売上や利益や資産の確認等の財務DD
  • 何より、どの様なビジネスモデルなのかや、事業の課題等を見極めるビジネスDD 等

もちろん、弁護士や会計士等の専門家の意見も聞きながら進めることも出来ますが、個人M&Aのレベルでは、そこまではやらないケースが大半です。

最低限、絶対に危険だという高いリスクがないことが確認出来れば、実際に支払う対価とリスクを天秤に掛けながら、自分なりの安心材料を集めていき、負うことのできるリスクであるという状況を作ることがゴールです。

実際に、私も完全にリスクが0だから買ったのではなく、リスクはあっても、それが顕在化する確立が低いという自信と、万一そうなっても負いきれる金額であったから買ったのです。

この作業の確認すべきポイントは、別の機会にしっかり確認して行きましょう。

基本合意契約、譲渡契約

一通りの確認を行って、それでも引き継ぎたい(買いたい)という気持ちであれば、
次は基本合意契約を結ぶことが一般的です。

この締結で譲渡が決定する訳ではないですが、あくまで譲渡を前提に、
いつ、いくらで、何を譲るか等の基本的な条件に付いて合意するのが一般的です。

その後、最終的な確認や、従業員との合意や契約の変更の準備などをしたうえで、
譲渡契約を交わして、正式に引継ぎの手続きをします。譲渡代金をお支払いして、約束した通りに譲渡を受ければ全てが完了です。

実務の承継

忘れてはいけないのがこの部分。
既に走っている事業を引き継ぐわけですから、いかにスムースに引き継いで行くかがポイントです。

その中で、変えるべきことを変え、良い部分はしっかりと残していく事が必要となります。

今日は一気に速足で個人M&Aの流れを見てみました。

スーパーイージーではないけれど、
スーパーハードでもない

何度も言いますが、これが私の実感です。

1人でも多くの方が、実際の選択肢として検討していける様に、今日書いたそれぞれの手順のポイントも詳しく発信していきます。

つづく。。。

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